はじめに
双葉学園は「幼いこどもたちが身近な体験をとおして、生きる力を手にし、お互いを尊重し、社会に貢献できる人間に育てる。」ことを共通の教育目標にしています。子どもの心とバランスとれた発達を促すには、発達の段階に応じて子どもの生活時間を重視した活動と食事が欠かせません。
特に人格の基礎が培われていく幼児期は、基本的生活習慣が身に付く時期であり、個々の生涯にいたる健康づくりの基礎を養うためにも、正しい食習慣を身につけることが重要であります。
この食育計画は、食育基本法の理念にはかり、本園が50年にわたって実践してきた食事指導と、さまざまな体験活動の実績をいかして、学校法人双葉学園に在籍する幼児の特性を考慮して策定しました。年間を通した食育指導については、保育と食育の整合性を図り、毎日の生活の中で達成が可能な具体的な指導内容としました。
この食計画に基づき、子ども自らが食に関する知識を身に付け、「食を営む力」の基礎を養うことを目指します。
食育計画の対象
幼児の食生活は、家庭との関わりを抜きに考えることはできないので、本計画では、園児だけでなく、栄養士、教諭、保護者も対象者に含めることにしました。園児の食行動を家庭からアプローチするとともに、園児を通じて園から家庭の方へもアプローチを図ることで、将来を担う園児たちの食育を総合的に推進します。また、食育は、栄養士や幼稚園教諭、保護者に加え、地域も一緒になり、「地域ぐるみ」で食育を推進していきます。
食育の4つの柱と目指す子供の像
幼児期の食育はその発達過程に応じるために、日常の食事・給食に関連して、慣れ親しみ、食の感性を育てていくことが重要です。
本園では、4つの柱を挙げ、それぞれに目指す子ども像を掲げました。「食物と体の関係」、「正しい食習慣」、「友達と楽しく食事をとること」を経験しながら、食に対する正しい感性を培います。
健康な体の実感
「努力する子ども」
- ①食べものと体の関係を知る。
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・食べ物を食べて生きていることを実感する。
・空腹感を感じる。
・食べ物や身体のことを話題にする。
- ②正しい生活習慣を身につける。
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・早寝、早起き、朝ご飯、朝うんちをする。
・よく噛んで食べる。
日本の食文化の継承
「素直な子ども」
- ①食べものと体の関係を知る。
- ②郷土料理を体験する。
- ③食文化に興味をもつ。
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・行事食や郷土料理の由来を知る。
・正しい箸の使い方や食べ方を知る。
栽培・調理など体験重視
「たくましい子ども」
- ①食物の大切さを知る。
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・季節の野菜や果物の栽培を通じて、自然と作物の成長の関係を知り、
収穫の喜びを体験する。
・自分で栽培した野菜の調理を通じて感謝して食べることを知る。
- ②自然環境(土・水・太陽)と食べものの環境を知る。
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・給食残采の堆肥作りと畑の土作りから、自然の循環を知り、
環境に興味を持つ。
世代間交流
「やさしい子ども」
- ①いろいろな世代の人と食の場で交流する。
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・各学年のお友達と一緒に食事をすることを楽しむ。
・お年寄りや地域の人と一緒に食事をすることを楽しむ。